静かなまなざしと、内に秘めた心の動きを繊細に表現した人形作品「想い」。
本作は、現代風俗を題材にした生人形として、何かを思いめぐらせるような一瞬の表情としぐさを、上品かつ自然な佇まいの中に映し出した一作です。
落ち着きのある装い、手にした本、やわらかく座した姿、そして穏やかな表情のすべてが調和し、作品全体に静謐で気品ある空気をもたらしています。
正面からは端正で知的な表情を、斜めからは衣裳の重なりや座り姿の美しさを、背面からは帯結びや後ろ姿の丁寧な仕立てをご鑑賞いただけます。
どの角度から見ても、見る人の想像を誘うような奥行きがあり、空間に落ち着きと品格を添える作品です。
人形本体、着物、小物の仕立てに至るまで、すべて作者本人の手によって制作されています。
細部にまで行き届いた美意識と確かな技術が息づき、人物の内面までも感じさせる豊かな表現へと昇華されています。
本作は2003年に制作された作品であり、コレクションとしてはもちろん、和の趣を大切にした空間演出や、応接空間・ギャラリー空間を上品に彩る作品としてもおすすめです。
静かな情感と気品をあわせ持つその姿を、ぜひお手元でご堪能ください。
【作品詳細】
作品名:想い
作者:阿部肥(あべ ふとし)
制作年:2003年
仕様:現代風俗の生人形
人形本体、着物、小物の仕立てすべて作者本人による制作
サイズ:高さ51cm × 幅36cm × 奥行34cm
【作者略歴】
阿部肥(あべ ふとし)は1938年、名古屋市生まれ。1982年に名古屋市で第一回作品展を開催。徳川美術館所蔵作品の再現・復元で注目を集め、銀座和光などでも個展を開催しました。中部通産局長賞、伝統文化賞、名古屋市優秀技能功労賞などの受賞歴を持つ人形作家です。










