やわらかな表情と静かな存在感が印象的な人形作品「慈愛 漆箱付」。
本作は、天上天下唯我為尊の思想を題材に、かけがえのない“いのち”の尊さを穏やかに、そして気品高く表現した一作です。
天上天下唯我為尊とは、もともとお釈迦さまが生まれた時の言葉とされ、天にも地にも、ただこの“いのち”はかけがえなく尊いという意味を持つとされています。
本作には、その尊い願いとあたたかな慈しみの心が、愛らしくも神聖な姿として映し出されています。
ふっくらとした幼子の表情、天を指すしぐさ、繊細な装身具、そして落ち着きある色彩の衣装が調和し、作品全体に穏やかな品格と深い祈りの趣をもたらしています。
正面からはやさしさと神聖さを、斜めからは造形の立体感を、背面からは後ろ姿の美しさと丁寧な仕立てをご鑑賞いただけます。
また、別誂えの漆箱が付属し、作品の格調をいっそう高めています。
人形本体、着物、小物の仕立てに至るまで、すべて作者本人の手によって制作されています。
阿部肥ならではの確かな技術と美意識が細部にまで息づいた、静かな力強さを感じさせる作品です。
コレクションとしてはもちろん、和の趣を大切にした空間演出や、祈りや安らぎを感じる作品としてもおすすめです。
慈しみと尊さをたたえたその姿を、ぜひお手元でご堪能ください。
【作品詳細】
作品名:慈愛 漆箱付
作者:阿部肥(あべ ふとし)
制作年:不明
仕様:天上天下唯我為尊の意味を題材とした作品
人形本体、着物、小物の仕立てすべて作者本人による制作
漆箱は別誂え
サイズ:高さ25cm × 幅61cm × 奥行30cm
【作者略歴】
阿部肥(あべ ふとし)は1938年、名古屋市生まれ。1982年に名古屋市で第一回作品展を開催。徳川美術館所蔵作品の再現・復元で注目を集め、銀座和光などでも個展を開催しました。中部通産局長賞、伝統文化賞、名古屋市優秀技能功労賞などの受賞歴を持つ人形作家です。








