やわらかな丸顔と、ふっくらとした愛らしい表情が印象的な人形作品「次郎左衛門雛」。
本作は、江戸時代中期に大流行した座り雛の様式をもとに、気品と親しみやすさをあわせ持つ姿へと丁寧に表現した一作です。
次郎左衛門雛とは、江戸時代中期に広く親しまれた、丸顔でふっくらとした表情を特徴とする座り雛のことを指します。
その名は、京の人形師・菱屋次郎左衛門の作風に由来するとされています。
本作にも、その古典的な魅力が美しく受け継がれており、やさしい面差しのなかに、雅やかな格調が感じられます。
男雛は端正で落ち着いた佇まいを、女雛は華やかな装束と優美な姿を見せ、二体が並ぶことで親王飾りならではの格別な存在感が生まれています。
正面からは品格ある表情と装束の美しさを、斜めからは衣裳の重なりや立体感を、背面からは後ろ姿や細部の仕立てをご鑑賞いただけます。
また、女雛が手にする扇も作品全体の華やかさを引き立て、雅な趣を添えています。
人形本体、着物、小物の仕立てに至るまで、すべて作者本人の手によって制作されています。
本作は2004年に制作された作品であり、伝統的な雛人形の美しさと、阿部肥ならではの確かな技術が結晶した一品です。
コレクションとしてはもちろん、季節のしつらえや和の趣を大切にした空間演出にもおすすめです。
古典雛の魅力と、あたたかみのある気品を、ぜひお手元でご堪能ください。
【作品詳細】
作品名:次郎左衛門雛
作者:阿部肥(あべ ふとし)
制作年:2004年
仕様:次郎左衛門雛は、江戸時代中期に大流行した丸顔でふっくらした表情の座り雛
京の人形師・菱屋次郎左衛門の作風をもとにした様式
人形本体、着物、小物の仕立てすべて作者本人による制作
サイズ:高さ50cm × 幅92cm × 奥行45cm
【作者略歴】
阿部肥(あべ ふとし)は1938年、名古屋市生まれ。1982年に名古屋市で第一回作品展を開催。徳川美術館所蔵作品の再現・復元で注目を集め、銀座和光などでも個展を開催しました。中部通産局長賞、伝統文化賞、名古屋市優秀技能功労賞などの受賞歴を持つ人形作家です。












